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the books changed my life

誰かの影響で、人の趣味って大きく変わる。

20歳を過ぎる頃まで、
僕はあまり本を読まなかった。

いや、少しは読んでいたのだが、
当時読んでいた本といえば
例えばジャック・ケルアックの「路上」など、
雑誌「STUDIO VOICE」で紹介されているような
「サブカル系必読」の本を
無理して読んではみたものの、
正直、当時の自分には文章が難解すぎて(たぶん今でも)
内容なんてほとんど頭に入ってこなかった。

でもこういう本を読むのがカッコいいんだ、と
思い込んでいた。

そんな当時、
たまたま幼なじみのH君と話していて

「読書するの?」

と聞くと、彼はかなり読んでいる様子。
彼がそんなに本を読んでるなんて
全く知らなかったので、意外であり、
また素直に尊敬した。

で、彼に何冊か紹介してもらったのだが、
それが、良かった。

まず最初に重松清の「ビフォア・ラン」。

それまでに自分が読んでいた本は、
ストーリーと自分との間に
距離があったような気がして、
でも読書ってそういうもんだと思っていたが、
重松氏の作品は
ストーリーが目の前に迫ってくるような感じで、
その後何冊か読んだが、いつもスッと引き込まれる。

次は武者小路実篤の「幸福な家族」。

H君が「読んでる間、ずっといい気分でいられる」と
言っていたのだが、本当にその通りだった。

いわゆる「ほのぼの系」だと、
僕はむしろ醒めてしまうのだが、
この本はそういう気持ちにはならない、
不思議な魅力があって、一気に読めた。

あとは山田詠美の「僕は勉強ができない」。

後になって思うと、
こういう本を選ぶH君のセンスが、
僕にとっては絶妙であり、ナイスであった。

なんて言うか、気取ってない。
そして面白さ重視。

高校生が主人公の、「くだけた」青春ストーリーで、
この本を機に、僕は青春モノが好きになった。

他にもあと何冊か紹介してもらい、
それを機に、一気に読書が好きになった気がする。

それから数年後・・・・

今度は僕が、
誰かに影響を与えたくなり、
当時の彼女に

「そういえば、読書すんの?」

と聞くと、

「・・・・(笑)。」

といった反応。

高卒でフリーター。
今までに読んだのは松本人志の本だけ・・・

そんな彼女に、
これならいけるんじゃないか、と
僕は村上龍の「69」を渡してみた。

すると数日後、

「私、村上龍に恋した・・・。」

という反応。
どうやら采配的中。

調子に乗った僕は次に、

重松清「カカシの夏休み」
花村萬月「幸荘物語」

さらにウケ狙いで

町田康「くっすん大黒」

などを手渡すと、
どれも采配的中だったようだ。
(町田康はギリギリだったみたいだが・・・)

それから彼女は、
少し時間があると
いつも本を読んでいるようになった。

そんな彼女が、
次は誰かに影響を与えたのか?
いや、それは、知らない。

by boppuccino | 2007-11-12 23:59 | books&magazines