一部の、いや本当にほんの一部の
ヒップなヴィンテージ音楽愛好家たちの間で
いま最も熱いトピックスといえば
「ジョージィ・フェイム(Georgie Fame)の旧作再発」
であると思われる。
60年代ロンドンが生んだ
最もヒップなオルガン弾き語りの名手、
ジョージィ・フェイムの初期の作品群が、
この秋一挙に国内盤で再発される。
11月22日に第一弾として4枚、
その後12月20日に6枚が再発されるが、
そのほとんどが世界初CD化であるようだ。
ちなみに「ジャズ批評」のライター・中林氏は
「すでに全作品予約済み」と、気合十分であった・・・。
本日(11月22日)は、その第一弾4枚の発売日。
僕はとりあえず「大人買い」は断念し、
1964年発表のファーストアルバム
「リズム・アンド・ブルース・アット・ザ・フラミンゴ」
一枚のみ購入。

さて、今回の再発で最も特筆すべき点は
そのボーナストラックの多さ。
どのアルバムもオリジナルトラックに加えて
9〜10曲ものボーナストラックが追加されている。
要するにアルバム2枚分ぐらいのボリュームなのだ。
ちなみに僕が購入した「リズム・アンド・ブルース・・・・・」には
ボーナス・トラックとして、彼が1964年に発表した
スカのカヴァー集EP「リズム&ブルービート」が
まるごと収録されている。
「リズム&ブルービート」の存在は以前から知っていて、
スカ好きの僕としては絶対に聴いてみたいレコードだったが、
もう入手することは不可能だろうと思っていたので、
今回の再発&ボーナストラックには本当に、
心から敬意を表したい。
それにしてもジョージィ・フェイムのレパートリーは
ジャズ、リズム&ブルース、ソウルからスカ、レゲエ、ラテン、
そしてポップス調の曲まで、本当に幅広い。
まるで「音のセレクトショップ」のようだ。
(それもヴィンテージ専門の・・・)
そしてほとんどの曲をごく自然に、
オリジナルとあまり変わらないアレンジでカヴァーしていて、
「自分なりの解釈をしよう」とか「個性を出そう」とか
そういう意気込みはあまり感じられない。
ただ自分の好きな曲を、そのまま演っているだけ・・・。
それでいながら彼のカヴァー曲には
「オリジナルよりカッコイイ・・・」と
思わせるようなものが多い。
彼の声とオルガン、
さらにアレンジにちょっとした「ひとひねり」が加わることで
魔法にかかったように、曲が輝き出すのだ・・・。
「オリジナル」なものが一つもなくても、
いつの間にか、完全な「オリジナル」の域に到達している。
まるで「音のリメイクブランド」のようだ。
「もともとセレクトショップだったお店が
オリジナルブランドを立ち上げ、
古き良きヴィンテージ服をオリジナルに忠実に復刻している・・・」
洋服に例えるとそんなところか・・・。
ジョージィ・フェイムの音楽は
「ネペンテス」の服によく似ている・・・・・
というのがage of vintageの(かなり強引な)見解です。