相撲界は横綱・朝青龍が不動の地位を築いているが,
「アメカジ・スウェット界」に「番付」があるなら,
その横綱の座は?
おそらく多くの人が,
まず「チャンピオン(Champion)」の
名前を挙げると思われる。
僕が横綱審議委員でも,やはり
まずは「チャンピオン」を挙げるだろう。

では,東の横綱がチャンピオンなら
西の横綱は?
これに関しては,横綱審議委員会でも
少し意見が別れるかもしれない。
でも僕は迷わず「キャンバー(Camber)」を推したい。

キャンバーは1948年にペンシルバニア州で誕生した
スウェットブランド。
もともとは「J.Schwartz&Sons」という名前だったらしい。
キャンバーのスウェットの特徴を端的に表すなら,
それは「ヘビーウェイト」の一言に尽きる。
とにかく,生地が分厚くて重い。
Tシャツで8oz,スェットで12〜12.5ozの
肉厚の生地を使ったタイプが主流で,
さらに裏地にサーマルを張り付けたタイプなども多く,
とにかく分厚くて重い。
かさばるので収納も大変です・・・。
僕はあまのじゃくな性格ゆえ,
ブランドの知名度が高いチャンピオンよりも,
一般的にはかなりマイナーな,
キャンバーのスウェットが好きで,
ずっと愛好してきた。

写真はキャンバーのカーディガンタイプのスウェット。
10年選手,まだまだ現役。
ところで,
チャンピオンのスウェットにはたいてい
有名な「チャンピオンマーク」が付くので,
誰が見ても
「チャンピオンのスウェット着てます」とわかってしまうが,
キャンバーのスウェットにはブランドロゴ等が入らないので
普通の人には,まずわからない。
でもアメカジ派ならその分厚い生地を見ただけで
「おっ,キャンバーだね。アメカジ好きなんだね。
うんうん。オレも好きだよ。」
とわかってしまう。
そんなキャンバーの「静かなる主張」にも,
僕は惹かれたものだ。
同じ横綱でも,
チャンピオンが「千代の富士」なら
キャンバーは「北勝海」と言ったところか。
(例えが古い?)
そしてチャンピオンが残念ながら
アメリカでの生産を終了してしまったのに対して
(日本企画の一部の製品にはまだアメリカ製のものもあるが),
キャンバーは昔も今も,
頑なにmade in U.S.Aにこだわり続けている。
そんな「いぶし銀」の名横綱・キャンバーに,
改めて敬意を表したい。