前回「jazz or rock?」について書いたが、
僕は何も最初からジャズ派だったわけではなくて、
むしろ以前はロック派だった。
例えばローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の
1971年の名盤「スティッキー・フィンガーズ(Sticky Fingers)」。
アンディ・ウォホール作のジッパー付ジャケットが
あまりにも有名だが、そのジッパー付ジャケに敬意を表して、
CDではなくアナログ盤を西新宿まで買いに行くような、
そんなマジメな音楽リスナーだった。

「Sticky Fingers」 The Rolling Stones
ジーンズの写真のジッパー部分に、本物のジッパーが付いている。
そしてジッパーを開けると、下には白いブリーフの写真が・・・。
さて、ストーンズといえばロック界の「生きた伝説」だが、
ドラマーのチャーリー・ワッツ(Charlie Watts)は、
そういえばもともとはジャズ・ドラマーだった。
ミックやキースに誘われてストーンズに加入した頃は
ロックなんて大嫌いだった、という説もある。
ストーンズの写真を見ていると、
他のメンバーは皮パンにド派手なシャツなどを着ているのに、
チャーリー・ワッツだけ一人、
スーツにハットで決めている、
そんな写真がけっこうあって面白い。
ストーンズの内部にも
「ジャズスタイル」と「ロックスタイル」が共存していた・・・。
ちなみに僕の大好きなジャズマン、ベン・シドランの
ファーストアルバムにも、チャーリー・ワッツはゲスト参加している。
そしてベン・シドランも
ストーンズの「ベガーズ・バンケット」のセッションに参加したらしい。
後々になって、多くの人が
ジャズとロックの間に「壁」を作ってしまったが、
そんな「壁」なんて、本来必要ないのだろう。
「ブルース」という、
ジャズとロックにとっての「共通の言語」があるわけだから・・。