今から5年前の冬、
深夜に梅酒ロックをちびちび飲んでは こんな事をつぶやいている男がいた(詳細)。 「メロ・・・好きだったのに。」 「メイ・・・今ごろどうしてるんだろ?」 メロ? メイ? むかし好きだった女子の名前か? まだあきらめきれないのか? 引きずってるのか? 「月9」の主人公を気取ってるのか? いやいや、違う。 メロもメイも、女子の名前ではない。 では何かというと・・・「MELO」と「MEI」。 両方とも、アメリカの アウトドア系バッグブランド。 ・ 「EAST PAK」や「OUTDOOR PRODUCTS」ほど メジャーではなかったにせよ、 かつてのアメカジ全盛期には アメカジショップに行けば容易に手に入る 「made in U.S.A」のバッグとして 確固たる地位を築いていた。 が、しかし、 やがて訪れる「アメカジ冬の時代」になると どちらのブランドも、影を潜めてしまう。 そして二人は、対照的な道を歩んだのであった。 ・ 「MELO」は日本のどこかのメーカーが ライセンス契約でも結んだのか、 かつてのストイックな美少女の面影は完全に消え、 カラフルでチープなバッグやポーチを どこにでもある雑貨店などで見かけるようになる。 そこから「made in U.S.A」の文字は、 消えていた・・・。 ・ 高校時代、 町で一番の美少女だったメロ。 陸上部のエースだったメロ。 だが大学進学を機に上京、 東京の汚れた空気の中でいつの間にか どこにでもいる ありふれた女の子になってしまった。 「メロ、どうして・・・。」 「またあの頃のように、走って欲しい。」 だって、走っている時の横顔が 一番美しかったから・・・。 でもメロの答えは、 いつもこうだった。 「もういいの。」 「あの町で特別扱いされても、 東京じゃ普通の女の子だし。その方が楽。」 そのまま5年の歳月が流れ 彼女との連絡も、 いつの間にか途絶えてしまった。 メロがこの5年間、 一度も帰っていないという故郷の駅には、 彼女がインターハイで優勝した時の写真が ポスターになって今でも飾られている。 あの頃の面影を残して・・・。 ・ 一方の「MEI」。 「MELO」と並んで、 お手頃かつ通好みなアメカジブランドとして 人気だった「MEI」。 が、こちらもアメカジ冬の時代になると 徐々に姿を消してしまう。 が、しかし・・・ 5年ほど前にあの「ネペンテス」の手によって 「旧タグ」を引っさげての完全復活。 オールド・アメカジファンを歓喜させた。 そしてその後もずっと「ブレない姿勢」を 保ち続けている。 ・ メロの隣町の高校の陸上部のエースだったメイ。 実力は申し分なかったが 高校時代は一度もメロに勝てなかったメイ。 町のアイドルだったメロに比べると 地味な存在であったメイ・・・。 だが彼女は高校卒業後も地元の大学に進学し 黙々とトレーニングを続け、 いつしか陸上界でも名の知れた存在になっていた。 メロが忘れられていくのとは対照的に。 だが、そんな彼女の口癖は、こうだった。 「もう一度、メロと走りたい。」 それはもはや、 叶わぬ夢であると誰もが思っていたのだが、 事態は思わぬ展開に・・・。 2012年の暮れ、 町にニュースが駆け回った。 「メロが帰ってきた。」 いや、それだけではない。 「メロが再び走り出した。」 ・ 5年間もの間、 沈黙を守り続けてきたメロが まさかの復活? おそらく、いや間違いなく、 東京での生活で何かがあったに違いない。 だがそれは、聞かないでおこう。 知らないままにしておこう。 年が明けてから、 メロと会う事になった。 久しぶりにメロに会うのは 嬉しい反面、少し怖かった。 あの、駅のポスターの写真とは すっかり変わり果てた姿に なっているかもしれないから・・・。 緊張しながら待ち合わせの場所で待っていると、 約束の時間より少し遅れて、彼女が現れた。 「メロ!」 本当に、帰ってきてくれたんだね。 そして・・・ あの頃と少しも変わっていない! 「お帰り!メロ!」 「まだ覚えていてくれたんだ・・・。」 「もちろんだよ。また走ってるって本当なの?」 「うん。」 「メイは今すごい活躍してるよ。」 「知ってるよ。私はブランクあるし、もうかなわないね。」 そして彼女は続けた。 「これからは自分のために走るよ。」 大丈夫、今の君なら きっとまたメイと並んで走れるよ。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ・ というわけで、 1985年にジム・メルヴィルによって創業された ニューヨーク発のバッグブランド「MELO」が 2013年、「made in U.S.A」で完全復活。 復活祝いの完全な妄想ストーリーは すべてフィクションですのでご了承ください(笑)。 「MELO」の今後の展開に期待したいです。
by boppuccino
| 2013-07-17 23:59
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Tetsuro Yafune
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made in U.S.A(191)
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