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piano man played old white piano

健康上の用事で横浜へ・・・。
横浜へ行くのはかなり久々だった。

かつて横浜には毎週通っていた。
横浜駅の駅ビル「ジョイナス」の中にある
レストランで、週に1〜2回演奏をしていたからだ。

僕が演奏していたその店は、
今では死語になってしまった「パブレストラン」という
言葉がぴったりの、広くて古い、
そして大衆的な店だった。

メニューには「ビフテキ」や「カツレツ」
そして「ハイボール」があり、
そして白いグランドピアノが置いてある・・・・
そんな「昭和」の匂いのする店だった。

その店で演奏をするようになったのは
今から6年ぐらい前のことだ。

こういう店での演奏を「ハコバン」といい、
毎週決まった曜日に演奏することを「タテ(での出演)」という。
僕はタテでハコバンをやったのはこの時が初めてだった。

その店では1回30分の演奏を4回繰り返す。
なので1日で25曲ぐらいのジャズ・スタンダードを
演奏しなくてはならない。

当時の僕はレパートリーが少なかったので、
1日4回の演奏をこなすのが精いっぱいだった。
そしてとにかくピアノが下手だったので、
間違えまくっていた。
当時は「ピアノマン」どころか「のだめ」以下だった・・・。

1〜2曲だったら、
特訓すればそれなりに弾けるかもしれないが、
25曲ともなると、
「実力」がはっきり出てしまう・・・
ということが、この時よくわかった。

始めた頃は毎週、演奏を終えるともうクタクタで、
そして帰りには必ず
「やはり自分に音楽は
根本的に向いていないんじゃないか・・・」
と考えた。

そんなわけで最初の頃は落ち込んでばかりだったが、
続けていくうちに、少しずつ上達していくのが
自分自身でもわかるようになっていった。
そしてレパートリーもどんどん増えていった。

「ハコバン」があったから今の自分がある。
もし「ハコバン」がなかったら
どうなっていたのだろう・・・と考えると
けっこう恐ろしいものがある。

さて、そんな思い出の場所に
久しぶりに行ってみたのだが・・・・

piano man played old white piano_c0077105_0175652.gif

すでに閉店。
そして「全フロアリニューアル工事中」で、
その店があった場所に近寄ることすらできなかった・・・。

また一つ、街から「昭和」の面影が、消えてゆく・・・。

by boppuccino | 2006-10-25 00:00 | place