piano man at new club

キャバクラ、そこは男の楽園(?)。
だがその裏側には、さまざまなストーリーが存在する。

実は以前、都内某所にある某「ニュークラブ」にて
毎週ピアノを弾いていた。

その店はかなり古い店で
昔ながらの「キャバレ−」の面影の残る大型店だった。
小学校の体育館ぐらいの広さはあったと思う。

そして店の奥にはきちんとステージもあり、
かつては「ショータイム」があったのだろうが、
今は、やや中途半端に、
ジャズバンドの生演奏をやっているだけであった。

こういうお店でBGM的に演奏するバンドのことを
「ハコバン」と呼ぶが、
この店ではピアノ、ベース、ドラムの編成で
午後9時から午前3時まで、
1回30分間の演奏を6回繰り返すのがハコバンの役目だった。

30分を6回、終わると夜中の3時過ぎ・・・・
ということで、毎回最後のセットになると
疲れと眠気でグッタリしていたが、
演奏自体は好きな曲をガンガン弾きまくって
それで何も言われなかったので、
なかなか楽しいものであり、いい修業にもなった。

そして僕はキャバクラという場所に
(お客として)出入りする趣味はないので(本当よ)、
こういう店に出入りして、
多くの人間ウォッチングができた事は
今思うと大変レアな体験であった。

演奏中はステージから客席を観察し、
休憩中は控え室で、店で働くさまざまな人を観察した。

僕の印象では、
お店の社交さん(コンパニオンのお姉さん)は
けっこう「醒めてる」感じの人が多く、
僕らとすれ違っても、
挨拶どころか目を合わせようとすらしない人が多かった。
特に、普通っぽいキレイなお姉さんほど、
とても冷たかった。

逆に気さくなのはいかにも「水商売」っぽい、
豪快な感じの人で、
僕のピアノを褒めてくれたり、
いろいろと気を使ってくれたりした。

逆に男性の従業員は
とにかく皆、クセのある人物ばかりで、面白かった。
いや、面白いどころではなく、恐かった・・・。

だいたい大ざっぱに分けると
3タイプに別けることができて、それは、

(1)「見るからに前科のありそうな恐い人」
(2)「一見普通の地味なオジサンだが、
   何らかの過去があると思われる人」
(3)「ホストっぽい若い人」

の3タイプだった。

もちろん(1)のタイプの人が一番偉くて、
(2)のタイプはこき使われ、いじめられ、
(3)のタイプは(1)の機嫌をとりつつも
影で(2)をいたぶる、という構図が
見事なまでに成り立っていた。

ドラえもんでいえば「ジャイアン〜のび太〜スネオ」の構図だ。

僕らミュージシャンはその構図の外にあるので、
ただ眺めているだけで、何の被害にもあわなかったが、
その過酷ないじめは、
見ているだけでも、なかなか辛いものであった。

さて、そんな「ハコバン」も、
ある日突然、終焉を迎えることになった。

その店の社長である、
パンチパーマのオッサンの、
突然の心変わりのせいで・・・。

「今度フィリピン人シンガーを雇うことにしたから」

そのわずか3日後には、
日替わりで十数名いたジャズミュージシャンは
全員クビになり、
代わってフィリピン人シンガーが
カラオケをバックに熱唱するショータイムに
変更していたという・・・・。
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by boppuccino | 2006-10-05 01:11 | place
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