Miles and Duke

1950年代から活躍を続けたジャズ・ピアニスト
デューク・ジョーダン(Duke Jordan)氏が
2006年8月8日に、84歳で亡くなったという。

デューク・ジョーダンと言えば、
かつてはあの、ビ・バップの神様、
チャーリー・パーカー(a.sax)のバンドの
レギュラーピアニストであった。

仕方のないことではあるが、
また一人、ジャズの歴史に残る
「ジャズ・ジャイアンツ」がこの世を去ってしまった。

正直言って,
僕はデューク・ジョーダンの熱心なファンではなかった。
それは何故かというと・・・・・
ある一冊の本のせいである。

「マイルス・デイビス自叙伝」(宝島社文庫)

マイルス・デイビスと言えば、彼もまた
チャーリー・パーカーに並ぶジャズの「神様」の一人であるが、
そんな彼の自叙伝を読むと、
デューク・ジョーダンはこれでもか、とばかりに
ボロクソにけなされている。

若き日のマイルスは、
パーカーのバンドに在籍していた。
そこでデューク・ジョーダンと共演していたのだ。

当時の様子が、自叙伝にはこんな風に書かれている。

「デューク・ジョーダンのピアノだけは好きになれなかった。」
「とにかくたいした演奏も出来ないデューク・ジョーダンが・・・」
「デューク・ジョーダンには、早く理解してくれることを祈りながら
毎日コードを教えたが、いつまでたってもダメだった。」
「アホのデューク・ジョーダンが無駄に居座っていたんだ。」

全て自叙伝からそのまま引用した文章だ。

マイルスはデューク・ジョーダンをクビにしたかったけど、
リーダーであるパーカーがデュークを気に入って、
ずっと使い続けたらしい。

若き日のデューク・ジョーダンはそこまで下手だったのか、
それともただ、マイルスの趣味に合わなかっただけなのか?
そのあたりは謎のままであり、
そういうミステリーがまた、とても興味深い。

とにかく、
デューク・ジョーダンの演奏を聴く以前に
マイルスの文章を読んでしまった僕は、
完全に「聴かず嫌い」になってしまい、
結局その後も彼の作品を、熱心に聴くことはなかった。

「マイルスにけなされた男」
デューク・ジョーダンのソロピアノ・アルバムを聴きながら、
不名誉なピアノマンの死を、偲びたい。
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by boppuccino | 2006-08-26 01:01 | sounds
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