monologue about cassidy <1>
東京・原宿にあるインポートショップ「CASSIDY」。
オープンしたのは1981年だというから、
移り変わりの早い街で、もう25年も続いていることになる。
僕がファッションに興味を持った頃はすでに
キャシディは多くの雑誌で紹介されていた。
そして店長の八木沢氏も、よく顔写真付きで雑誌に載っていた。
なので初めてキャシディに行って
八木沢店長を見た時は、有名人に会ったような気分だった。
何度か通っていると、ある日
「あ、オレ、店長に顔覚えてもらえたかも」と思う事があった。
「いらっしゃいませ」の後に
「あ、こんにちは」が付いたりすると
人はみな、そう感じるものだ・・・。
そういう時は非常に嬉しいもので、
その後しばらく、「顔忘れられないように」と
マメに通う事を心がけた。
・・・と言っても実際は
せいぜい2ヶ月に1回ぐらいしか行かなかったんだけど、
それでも八木沢氏は僕の顔だけでなく
僕がキャシディで買った服も、
かなり細かく覚えてくれていた。
そんな、僕にとっての「有名人」だった八木沢氏だが、
実際、本人に接してみると、かなりユニークな人であり、
「この人、本当に偉いのかな?」と思うような事だらけだった。
まず、服をたたむのが非常に遅くて、
手つきも妙にたどたどしい。
あと、しゃべり方も全然、接客業っぽくなくて、
ボソボソっと小声で話すし、
言葉遣いも全然、「プロっぽい」感じがしない。
例えば以前に僕が「これ買います」と言ったら、
「え、買ってくれるんですか?」と言われた。
普通、店員さんがそんな事言わないですよね?
が、しかし、そんな八木沢氏にすっかり魅了されてしまい、
原宿キャシディに通うようになってもう6〜7年が経つ。
ちなみに僕のアルバム「Small Combo」の
裏ジャケットの写真で着ているシャツもパンツも、
両方ともキャシディで購入したものです。
が、しかし、
八木沢氏には、僕が音楽をやっている事などは、
何も明かしていない。
いや、話したい気もするけど、話せていない。
お店の店員さんと仲良くなったら、
どこまで自分から話すべきなのか・・・・、
難しいテーマですね。
それはともかく、
改めて原宿キャシディと八木沢店長に、
ここで敬意を表したいと思います。
by boppuccino | 2006-08-25 23:59 | place