eternal voice, Blossom Dearie

「永遠の少女」
そんな風に呼ばれたら、
女の人は、やはり嬉しいのでしょうか?

ジャズピアニストであり、ピアノ弾き語りのシンガーである
ブロッサム・ディアリー(Blossom Dearie)は
しばしば「永遠の少女」と形容される。
(ちなみに僕が考えたキャッチコピーは
「ジャズ界のオリーブ少女」なのですが、どう?)

そんなブロッサム・ディアリーの名前を知ったのも、
たしか小西康陽氏の文章からだったと思う。

初めて買ったアルバムは1958年の作品
「Once upon a summer time」だった。

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ジャケットに写るブロッサムのカワイさにも惹かれたが、
その一曲目、「二人でお茶を(Tea for two)」の
「静寂さ」に、完全に引き込まれた。

「元祖ウィスパーヴォイス」と呼ばれる、
ささやくような歌い方、
そして音数が少なく、あまりにもソフトなタッチのピアノ、
そんな彼女の音楽を、「B級」扱いする人も多い。

しかし聴けば聴くほど、
彼女の音楽には無駄がなく、「B級」どころか
高い精神性やストイックさ、そういったものを感じる。

彼女はその後の作品でもずっと、
その高い精神性を保ち続けた。

多くの大御所ジャズシンガーが
商業化、マンネリ化していく中、
彼女だけはいつの時代もずっと
「凛」としたたたずまいを保ち続けた。

ただキュートなだけじゃない。
一本筋が通っているからこそ、
「永遠の少女」なのであろう・・・。

さて、ブロッサム・ディアリーは今でも現役で、
ニューヨークのクラブなどで
ライブ活動を続けているらしい。
1926年生まれと言われているから、
今年(2006年)で80歳ということになる。

少し前だが、
2002年には彼女のニューアルバムが、
日本でも国内盤で発売された。

そのアルバムを手にして、驚いたことが二つある。

一つは彼女の歌声が
以前と全く変わっていなかったこと。
最初に聴いた時は、
これが本当に80歳近い人の歌声なのか・・・と、
ちょっと信じられなかった。
少女のままの歌声だったのだ。

そしてもう一つは、そのジャケット。
「今」の彼女の写真が、アップで写っていた。

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彼女ぐらいの年齢の女性ミュージシャンが、
ここまで堂々とアップで写っているジャケットって
あまり見かけない。
しかも前髪揃ってる・・・。乙女。

その潔さ、やはり一本筋が通っている。

おばあちゃんになっても、
凛としたたたたずまいは、全然変わっていない。

年齢を重ねることの美しさ、素晴らしさ、
そういったものを、このジャケットで示してくれた。

そんなブロッサム・ディアリーに
あらためて敬意を表したい。
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by boppuccino | 2006-08-12 01:01 | sounds
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