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who made Kingston Town ?

1960年代のジャマイカ音楽シーンで活躍した

数多くのシンガーの中でも

個人的に特に好きなシンガー、

ロード・クリエイター(Lord Creator)。


当時のジャマイカのシンガーといえば

アメリカ音楽の影響を強く受けていて

その多くはソウル、R&Bの影響を

感じさせるのだが

ロード・クリエイターはどちらかというと

ナット・キング・コールのような

ジャズ系のシンガーに影響を受けていたようで

ソフトでジェントルな歌声が特徴的だ。


ジャマイカ音楽の主流がスカ全盛だった頃、

スカタライツに代表される当時のミュージシャンは

ジャズ系のプレイヤーだった事もあり

クリエイターの歌い方はスカのリズムに

とてもハマっていたのだが、

時代がロック・ステディからレゲエに移行していくと

よりソウルフルな歌声がマッチするようになり

クリエイターはシーンから

徐々に姿を消していったようだ。


そんなわけでクリエイターが

レゲエのリズムをバックに歌っている曲は

あまり残されていないようだが

そんな中で最も有名な曲が「Kingston Town」。

1971年頃リリースされたようだ。




この曲はもともと

クリエイター自身によって

「king and queen」または「Babylon」というタイトルで

60年代にリリースされている。

曲自体もクリエイターが作曲したようだ。

(ちなみにクリエイターの本名は

ケントリック・パトリック)





いかにも、古き良き

ジャズソングという感じの曲で、

やはりレゲエ・バージョンになると

ちょっと「古くさい」感じがしてしまう・・・


が、しかし、1980年代後半に、

世界的に人気だった英国のレゲエ・バンド「UB40」が

ロード・クリエイターへのリスペクトを込めて

この曲をカヴァー。


UB40のカヴァーだけあって

「Kingston Town」は大ヒットを記録。

作者のロード・クリエイターには

突然、多額の印税が入り込んだようだ。


そして、その事によって、

クリエイターが70年代に

「Kingston Town」を録音した時のプロデューサー、

クランシー・エックルスらとは

その権利関係で相当モメたらしい。


ヒットしたとたんに

「あの曲の一部はオレが作詞した」とかなんとか、

まあ、いかにもありそうな話。


もし僕の曲が10年後に突然ヒットしたら・・・?


プロデューサーのはせさんは


「あの曲のサビのメロディ、

ちょっと変えたのオレだよね?」


って言って来るか?

と考えてみたら、

うん、間違いなく、言って来ますね(笑)。


話を戻して・・・


トラブルはありつつも、

多額の印税を手にしたロード・クリエイター。

長く不遇の時代を過ごしただけあって、

本人は


「宝くじに当たったようだった」


と語ったらしい。


人生は、何がおこるかわからないですね。


さて、「何がおこるかわからない」といえば

もう一つ、その「UB40」に関する話。


「UB40」といえば

メンバー全員が幼なじみ、ということで有名。


幼なじみでバンドを結成してそのまま

世界的な人気に・・・という

心あたたまるサクセスストーリー、のはずだったが

世界的な名声を手にした事で

のちに金銭トラブルに見舞われ

メンバー全員が破産宣告するという事態に・・・。


そしてリード・ヴォーカルの

アリ・キャンベルがバンドを去り、

幼なじみの友情にはヒビが入ってしまったようだ・・・。


本当に、人生は何がおこるかわからない、ですね。



by boppuccino | 2014-10-30 23:59 | story